こんにちは、ジョコボ(@jyokobo)です。
今回の記事では、傷病手当金のデメリット・注意点について取り上げます。
病気や怪我で仕事を長く休むことになってしまったら、その回復が第一なのはもちろんですが、休職中の収入も気になるところですよね?
私もそうでした。
40歳で膵臓癌が発覚してしまい、すぐに手術が必要となり、その後の抗癌剤治療も含めて、しばらく休職することなったのです。
そこで、休職時の収入源として出てくるのが、傷病手当金になります。
実際に私も利用していて、正直とても助けられているものの、万能なわけではなく、デメリットや注意点も感じました。
- 休職前の収入を担保するものではない
- 申請書類に会社・病院の記入が必須
- 手続きにより収入時期が後ろにずれる
- 受給できる期間が限られている
それでは、具体的にお伝えしていきます。
目次
癌に関する売れ筋の書籍 |
---|
がんを告知されたら読む本 ― 専門医が、がん患者にこれだけは言っておきたい“がん”の話 |
世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった最高のがん治療 |
がんが自然に治る生き方 |
傷病手当金の利用について

そもそも、傷病手当金ってどんな条件でいつ使えるのでしょうか?
ご存知かもしれませんが、まず傷病手当金がどういうものかを先に見ておきましょう。
傷病手当金の一般的な対象条件
傷病手当金とは…
病気や怪我で会社を長く休んだ時に、加入している健康保険から支給される制度です。
支給開始した日から最長1年6ヵ月の間、休職前の給料(標準報酬月額)の3分の2を受け取ることができるので、収入のない休職中にあっては、本当に助かります。
- 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
- 仕事に就くことができないこと
- 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
- 休業した期間について給与の支払いがないこと
残っている有給休暇を消化してから休職に入ることも多いと思いますが、当然ながら、給料の支払のある期間は対象外となります。
健康保険の制度ということで、自営業者などが加入する国民健康保険では利用できないのです。
通院治療で傷病手当金を利用した体験談
前置きにも書いたとおり、私は癌の通院治療で傷病手当金を利用しています。
実際には、腫瘍摘出の手術による入院期間(3週間程度)も会社を休んでいますが、そこは有給休暇を利用しました。
その後の通院による抗癌剤治療中に、傷病手当金を請求するようになったのです。
通院治療ということは自宅療養期間なわけですが、とくに問題なく傷病手当金を受け取ることができています。
健康保険の担当者より、抗癌剤の副作用を具体的に記入するよう求められたりはしたものの、それくらいです。
同じように自宅療養中で傷病手当金を受給できるか心配していた人は、ご安心ください。
また、私の場合、抗癌剤治療が1年間(6週間×8サイクル)続く予定でして、治療を続けながらの復帰も検討中です。
が、焦らず治療&回復に専念しながら、復帰時期を検討できるのも、傷病手当金のような保障制度があってこそだと実感しています。
傷病手当金にはデメリット・注意点があると言いつつ、それをはるかに凌駕するメリットがあるのです。
傷病手当金のデメリット・注意点
では、本題である傷病手当金のデメリット・注意点を見ていきましょう。
大きく4つあると考えています。
休職前の収入を担保するものではない
休職前の給料(標準報酬月額)の3分の2を受け取ることができるとお伝えした通り、休職前の収入を担保するものではないのです。
もちろん、休職中なので賞与なども貰えません。
休職前と同じような生活水準を保ったり、貯蓄をしたりは、傷病手当金だけで賄うことはできないのでご注意ください。
ちなみに、私の場合、会社の団体所得補償保険(GLTD)にも加入していたおかげで、足りない給料(標準報酬月額)の3分の1もカバーできています。
それでも賞与分はカバーできないし、治療費の負担は増えるしで、家計の見直しは必須でしたが…
申請書類に会社・病院の記入が必須
傷病手当金の申請書類には、会社・病院による記入欄があります。
ということで、多少の手間と、多少のお金が掛かってしまうわけですが、それ自体は大した問題ではないと思います。
むしろ…
- 会社に具体的な症状を知られたくない
- 人事担当との関係が悪く連絡したくない
- 病院の受付が要領を得ていない
- 担当の先生が忙しくて書いてくれない
といった個々の事情があると、ちょっと面倒なことになってしまうかもしれません。
とは言え、傷病手当金を放棄するのは本当にもったいないですよ。
手続きにより収入時期が後ろにずれる
休職前の給与と比べ、収入時期が2ヶ月くらい後ろにずれてしまいます。
まず、申請書類には、未来分を見込みで書くことはできないので、前月までの内容で記入を依頼することになります。
しかも、書類作成に2~3週間を要することも普通ですし、そこから健康保険組合に請求するということで、かなりのタイムラグが発生するのです。
傷病手当金を利用するとしても、休職直後の2ヶ月くらいは収入ゼロの期間となるかもしれません。
仕方のないことですが、毎月の引き落としなどにご注意ください。
受給できる期間が限られている
支給開始した日から最長1年6ヵ月の間が上限となるので、治療による休職が長引いたとしても、それ以上は傷病手当金を受けることはできません。
基本的には、この期間内での復職を目指すことになります。
とは言え、癌の治療による休職ということであれば、復職に至る人のほとんどは365日以内に職場復帰できているそうです。
また、そこまで経っても仕事ができない状態であれば、傷病手当金の対象から外れても、障害年金の対象となるかもしれないですね。
ちなみに、私の場合、会社の団体所得補償保険(GLTD)により、60歳までは月々の収入も保証されていました。
癌になるとは思っていなかったけど、保険に入っていて良かったです…
Q1:傷病手当金ってどこへ相談すべき?
傷病手当金について不明点などある場合、どこへ相談すべきでしょうか?
まずは加入する健康保険組合が相談窓口となります。
ただ、傷病手当金の申請書類には、会社記入欄と病院記入欄があり、ここの記述内容についてなどについては、最終的に会社・病院への確認も必要です。
会社経由で健康保険組合に確認したこともありますが、直接相談した方が手っ取り早いですね。
Q2:傷病手当金は支給が遅い!すぐ貰えないの?
上述した通り、傷病手当金は収入時期が後ろにずれるため、支給が遅いというデメリットがあります。
とは言え、高額な医療費などをすぐに支払う必要がる場合など、すぐに貰う方法はないのでしょうか?
私もいろいろ調べてみましたが…
残念ながら、傷病手当金をすぐに貰う方法はありませんでした。
ただし、医療費を払えないという状況でしたら、利用できる医療費助成制度などあるかもしれないため、病院へ相談してみましょう。
Q3:数ヶ月分の傷病手当金をまとめて請求できる?
傷病手当金を毎月請求するのは手間でもありまして…
数ヶ月分の傷病手当金をまとめて請求ってできないのでしょうか?
結論としては、後から数ヶ月分の傷病手当金をまとめて請求することは可能です。
傷病手当金が毎月支給されなくても生活に困らないのであれば、自分の都合の良いタイミングで請求して問題ありません。
私も2、3ヶ月分をまとめて請求したことがあります。
まとめ …傷病手当金のデメリット・注意点
以上、これから傷病手当金を検討する人や、受給する人に向け、傷病手当金のデメリット・注意点をお伝えしてみました。
参考になりましたでしょうか?
改めて、まとめるとこんな感じです。
- 休職前の収入を担保するものではない
- 申請書類に会社・病院の記入が必須
- 手続きにより収入時期が後ろにずれる
- 受給できる期間が限られている
ということで、”病気や怪我で長期間の休職をしても、傷病手当金さえあれば金銭面の不安なし“…とはなりませんが、その不安の軽減に、大きく貢献してくれる制度だと感じています。
世間では、傷病手当金を知らずに、請求すらしない人もいるみたいですが、本当にもったいないです。
傷病手当金は、デメリット・注意点を意識しつつ、是非、効果的に利用いただければと思います。
この記事『傷病手当金のデメリット・注意点は?《癌の通院治療で利用した体験談》』は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。