こんにちは、ジョコボ(@jyokobo)です。
今回の記事では、傷病手当金と有給休暇に関する疑問点・不明点について取り上げます。
病気や怪我で会社を長く休むことになってしまった場合、大半の人は、休職時の収入源として、傷病手当金を利用するのではないでしょうか。
私も膵臓癌の治療によりしばらく休職ということで、実際に傷病手当金を利用しており、とても助けられています。
とは言え、馴染みのない制度だったため、利用する前は疑問点・不明点も少なくなく、会社の人事担当の方や、健康保険の窓口の方へ、何度か確認したものです。
とくに傷病手当金と有給休暇との関係に、確認内容が多くありました。
ということで、以下のような傷病手当金と有給休暇に関する疑問点・不明点について、自分への備忘録も兼ねて、その確認結果を情報共有たいと思います。
- 傷病手当金と有給休暇は併用できるのか?
- 傷病手当金の待機期間に有給休暇も含まれるか?
- 傷病手当金と有給休暇、優先順位はあるのか?
- 傷病手当金と有給休暇、どちらを利用するのが得か?
それでは、詳しく見ていきましょう。
目次
傷病手当金を受けるための前提条件について

本題に入る前に、傷病手当金を受けるための前提条件について、改めて確認しておきますね。
傷病手当金とは、病気や怪我で会社を長く休んだ時に、加入している健康保険から支給される制度です。
支給開始した日から最長1年6ヵ月の間、休職前の給料(標準報酬月額)の3分の2を受け取ることができるので、収入のない休職中にあっては、本当に助かります。
ご存知かもしれませんが、以下の前提条件に該当していなければ、その傷病手当金は支給されません。
- 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
- 仕事に就くことができないこと
- 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
- 休業した期間について給与の支払いがないこと
これが大前提となります。
健康保険の制度ということで、自営業者などが加入する国民健康保険では利用できないのです。
傷病手当金と有給休暇に関する疑問点・不明点
では、本題である傷病手当金と有給休暇に関する疑問点・不明点を見ていきましょう。
前置きにも記載した通り、4つの疑問点・不明点について確認しています。
- 傷病手当金と有給休暇は併用できるのか?
- 傷病手当金の待機期間に有給休暇も含まれるか?
- 傷病手当金と有給休暇、優先順位はあるのか?
- 傷病手当金と有給休暇、どちらを利用するのが得か?
傷病手当金と有給休暇は併用できるのか?
傷病手当金と有給休暇は併用できるのでしょうか?
結論から言うと、傷病手当金と有給休暇は併用できません。
上述した通り、給与の支払いがないことが、傷病手当金を受けるための前提条件となるからです。
給与が支払われている間は、傷病手当金は支給されません。ただし、給与の支払いがあっても、傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額が支給されます。
ただし、その給与が傷病手当金の額より少ない場合は、その差額が支給される制度となっています。
ということで、有給休暇と傷病手当金のW収入を期待していた方には、残念なお知らせとなります。
傷病手当金の待機期間に有給休暇も含まれるか?
傷病手当金が支給されるには、「連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと」という条件があり、連続する3日間の休みを待機期間として扱います。
では、その待機期間(3日間)に有給休暇を含めてもよいのでしょうか?
答えは、傷病手当金の待機期間(3日間)に有給休暇も含まれます。
有給休暇だとしても、病気やケガの療養が理由の休業であるなら、待機期間の対象となるわけです。
待期には、有給休暇、土日・祝日等の公休日も含まれるため、給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。また、就労時間中に業務外の事由で発生した病気やケガについて仕事に就くことができない状態となった場合には、その日を待期の初日として起算されます。
もちろん、土日・祝日等の公休日だって、待機期間に含まれます。
有給休暇は傷病手当金の対象外ではあるものの、傷病手当金の待機期間としてカウントはできるのです。
傷病手当金と有給休暇、優先順位はあるのか?
傷病手当金と有給休暇の両方とも利用できる状況の場合、どちらが優先されるなどの規則はあるのでしょうか?
これも結論から申しますと、傷病手当金と有給休暇に優先順位はありません。
と言うより、傷病手当金は健康保険から、有給休暇は所属の会社からという具合に、支給元も異なりますし、同列に語るものでもないんですよね。
どちらを利用するかは、本人の都合によって選ぶことができます。
蛇足ですが、同じ健康保険から支給される傷病手当金と出産手当金では、出産手当金が優先されるようです。
傷病手当金と有給休暇、どちらを利用するのが得か?
傷病手当金と有給休暇の両方とも利用できる状況において、どちらを利用するのがお得なのでしょうか?
有給休暇は所属会社の就業規則に従って支給額が決まりますが、金銭面だけで考えるなら、傷病手当金よりも有給休暇を利用した方がお得となるはずです。
残業過多の人などですと、残業代が加味されない有給休暇より、給料(標準報酬月額)の3分の2の傷病手当金の支給額が高くなるケースも考えられます。
が、そういったケースでも、差額は健康保険から支払われますので、有給休暇を選んで金銭的に損することはありません。
とは言え、復職した後のことまで考慮すると、有給休暇を使い切ってしまうのも不安ですよね。
正直、一般論で判断しにくい件ですので、家族や会社の人とも話し合って決めることをお勧めします。
私の場合、有給休暇が付与される時期をまたいで休職することがわかっていたので、有給休暇を使い切ってから休職しました。
まとめ …傷病手当金と有給休暇の疑問点・不明点
以上、これから傷病手当金を検討する人や、受給する人に向け、傷病手当金と有給休暇に関する疑問点・不明点をお伝えしてみました。
参考になりましたでしょうか?
改めて、整理するとこんな感じです。
- 傷病手当金と有給休暇は併用できるのか?
⇒併用できません - 傷病手当金の待機期間に有給休暇も含まれるか?
⇒待機期間(3日間)に有給休暇も含まれます - 傷病手当金と有給休暇、優先順位はあるのか?
⇒優先順位はなく、本人の都合で選べます - 傷病手当金と有給休暇、どちらを利用するのが得か?
⇒金銭的には、有給休暇を利用した方がお得です
そんなわけで、傷病手当金は休職時の収入源として欠かせないものですが、有給休暇が残っているのでしたら、そちらも効果的に利用すべきですね。
ただし、復職後のために有給休暇を残しておくことも大事なので、家族・会社・病院などと情報共有しながら、よくよく検討してくださいな。
この記事『傷病手当金に有給休暇は…併用できる?待機期間に使える?《癌治療で利用した体験談》』は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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