こんにちは、ジョコボ(@jyokobo)です。
今回の記事では、癌になって、言われたくない言葉・かけてほしい言葉について取り上げます。
癌になると、周囲の人が励ましの言葉を掛けてくれたりします。
私も膵臓癌の患者として経験がありますが、その気持ちって本当に嬉しいものです。
一方で、落ち込んでいる時にその言葉は聞きたくなかったなんてことがあるのも事実。
他意がないとは思いつつも…
となると、癌患者の周囲の人にとっては…
癌になって、言われたくない言葉、かけてほしい言葉って何なのかが気になりませんか?
私も逆の立場なら気になりますし。
一例ではありますが、私の実体験から、言われて嫌だった言葉、嬉しかった言葉を紹介してみます。
是非、癌患者へ声を掛ける際の参考にしてみてくださいな。
あくまでも個人的な感想なので、一般論ではありません。
目次
癌になって、言われたくない言葉
まずは、『癌になって、言われたくない言葉』から紹介します。
全部で7つ挙げてみました。
うーん、けっこう多いですね。
死を連想させる言葉
やっぱり死を連想させる言葉は聞きたくありません。
そりゃ当然でしょと思うかもしれないですけど、励ますつもりの言い回しが、意図せず死を連想させる場合もあるんですよね。
例えば…
個人的には、かなり言われたくない部類の言葉群だったりします。
同病で亡くなった人の話はしたくないし、5年生存率とかにも触れてほしくないし、諦める(≒死)といった言葉も聞きたくないからです。
身内に癌で亡くなった人がいたりすると、その経験を交えた話をしたくなるかもしれませんが…
どうしても伝えたいわけじゃなければ、避けた方が無難じゃないでしょうか。
励まそうという気持ちはわかるんですけどね。
病状の深掘り
病状の深掘りもしない方がいいです。
「ステージ」や「余命」といったデリケートなことを聞く人は少ないとは思いつつ、そうでなくても回答に困るケースはあります。
例えば…
言葉のニュアンスとしてはあまり重く感じないですよね。
ですが、主治医の先生には、病状について厳しいことも言われているわけで、気軽な話題にはなり得ません。
お見舞いの時など、病気のことに触れないのもどうかと思うかもしれませんが…
正直に答えたら答えたで、その後の雰囲気が微妙になったりするので、お気をつけください。
そうなると、お互い気まずいですし…
治療のアドバイス
治療のアドバイスはとくに不要です。
手術・抗癌剤などの標準医療の是非を問うたり、特定の民間療法を勧めたりって、価値観の押し付けになりかねません。
例えば…
価値観の押し付けなんてつもりもなく、よかれと思っての発言だとしても…
正直、言われた方にとっては、これを受け入れるにせよ断るにせよ、ちょっとした負担だったりします。
患者本人もその家族も、本当にいろいろ悩んだ上で治療をしているものです。
悩みの種を増やさないでいただけると助かります。
もちろん、患者本人が聞いてきた時は、その限りではないですよ。
癌になった原因探し
癌になった原因についての話題も避けたいところです。
原因探しをしているつもりがなくても、無意識に特定のことを原因として語ってしまうケースもあるのでご注意を。
例えば…
これって要するに、働き過ぎたから癌になったと言われているようなもんですよね。
実際の原因はわからないですし、今さら言われてもって感じですし、過去の自分を否定された気さえします。
中には、生活習慣・食事・ストレスなどを原因と決めつけて、改善するアドバイスまでしてくる人もいますが…
患者のためを思うなら、そういう話はやめておきましょう。
そんな話ばかりだと、精神的にきついです。
大丈夫?
何とも返事しづらいのが、「大丈夫?」という言葉です。
もちろん病気のこともそうですが、それだけではありません。
例えば…
病気のこと、家庭のこと、仕事のこと、いろいろと大丈夫ではないです。
むしろ、病気のせいで迷惑を掛けていて、申し訳ないと感じているので、「うん、大丈夫。」とも返せないんですよね。
結果として、ネガティブな回答を促すような質問となってしまいます。
患者本人から「大丈夫。」という言葉を聞きたい気持ちもあるかもしれませんが、決して大丈夫ではないです。
むしろ「大丈夫。」って言われたい。
○○なのに…
「若いのに…」「子供が小さいのに…」などの枕詞がつくと、聞きたくないフレーズになりがちです。
例えば…
そう言われても、何と答えていいのやら。
患者に共感しているようで、つらい現実を突き付けているだけの、すごい隔たりを感じる言葉です。
かわいそうと憐れむ気持ちが、言葉として表れたものかもしれませんが、わざわざ本人を前にして言わなくてもいいですよね。
せめて患者本人のいないところで話してください。
実際にそう思っていたとしてもね。
○○じゃなくてよかった
時と場所を選んでほしいのが、「○○じゃなくてよかった。」という言い回しです。
例えば…
入院中のお見舞いなど、他に患者さんのいる場所でこんな発言をされると…
○○に当てはまる人が周囲にいるかもしれないので、素直に「よかった。」とは言いづらいです。
私の場合、病院の診察待ち中に、「膵臓癌じゃなくてよかった。」という会話が聞こえて、すごいショックを受けたことがあります。
患者本人に対しては問題なくても、周囲へ配慮した方がいい言葉もあるという例ですね。
ちなみに、言われて嫌な言葉ではないです。
癌になって、かけてほしい言葉
続いて、『癌になって、かけてほしい言葉』を紹介します。
全部で4つ挙げてみました。
参考になるかな…
治ることを祈っている
病気の話題に触れるなら、質問されるよりも、治ってほしいという気持ちを伝えてくれるとありがたいものです。
例えば…
などと言いつつ、がん封じ・病気平癒などのお守りを渡してくれた人もいましたが…
病気のことを無視するわけでもなく、患者に寄り添ってくれているようで、すごい嬉しかったです。
お守りを渡すかどうかは別としても、祈っているとか応援しているとか言われると、治療の励みにもなります。
それはぜひ伝えてあげてください。
自分がお見舞いする側になったら、そうします。
大丈夫
患者としては不安が尽きないので、「大丈夫?」と聞かれるのではなく、「大丈夫。」と言ってほしかったりします。
これも病気のことに限りません。
例えば…
私自身、急な休職だったにもかかわらず、周囲の同僚がこんな風に言ってくれたので、本当にありがたかったです。
迷惑を掛けているのはわかっていますが、大丈夫だと言ってくれるだけでも心の負担が軽くなります。
言われたくない言葉の方でも書きましたが、患者本人はいろいろと大丈夫だと思えない状況です。
この際、根拠がなくても構わないので、「大丈夫。」と伝えてみてはいかがでしょう。
「大丈夫。」って言われたい。
何気ない世間話
かけてほしい言葉とは違うかもしれませんが、何気ない世間話って、病気のことを忘れられる貴重な時間だったりします。
病気の話に触れるとしても、それは最小限に止めて、あとは何気ない世間話をしてくれるとありがたいです。
病気のことも含めて、自分をいつも通りに受け入れてくれることが安心にも繋がります。
病気の話なんてあまりしたくないものだし。
聞き役
これもかけてほしい言葉ではないですが、つらい気持ちの捌け口として、聞き役になってくれるのも助かります。
「つらいよね。」「大変だよね。」みたいに患者へ寄り添いつつ、こちらの話を聞いてくれる人の存在も欠かせなかったりするんですよね。
誰かに気持ちを吐き出すことで、1人で抱え込んでいたものが多少なりとも和らいだりします。
私の場合、それが妻であったり、看護師さんであったりするので、みんなに聞き役を望むわけではないですが。
患者が自ら話すようなら、聞き役になってあげてくださいな。
まとめ …癌になって、言われたくない言葉・かけてほしい言葉
以上、癌になって、言われたくない言葉・かけてほしい言葉について、経験談を踏まえて紹介してみました。
参考になりましたでしょうか?
言われたくない言葉をいっぱい並べてみたものの、会話の中の言葉尻を捕まえて否定するものではないです。
上記で挙げたようなことが、会話の中心になりそうなら、気をつけていただければと思います。
言われたことを否定するのが目的ではないので。
一方で、癌になると、今まで気にならなかったことに、敏感に反応することがあるのも事実。
患者本人としても、そんな自分を上手くコントロールできなかったりします。
なので、癌患者に対して何か言葉をかけようという時は、多少なりとも上記のようなことを気にしてくれると嬉しいです。
あなたの闘病生活に、少しでも貢献できたのであれば幸いです。
この記事『癌になって、言われたくない言葉・かけてほしい言葉は?《膵臓癌患者の体験談》』は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。